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アクセス回数:94回 リリース日:1989年10月21日
十二月の風に吹かれて
作詞 河島英五 
作曲 河島英五
河島英五
生まれて暮して ただ それだけで
生きているって 呼べるだろうか
少年は ぼんやり 空を ながめては
茜雲に 泪ぐむのは 何故だろう
若者は幾つも 恋をしてみるけど
答えは そう簡単に 見つかりはしない
やり場の無い いらだちが・・・怒りに変わる時
騒いだ 血の熱さが 生きているって証しだろうか

つかのまの輝きも やがて色褪せて
すぐに あきらめる事を覚え
また元の のっぺらぼうの 行列の中に
紛れ込み 閉ざされた 羊たちの 真似をする
にぎやかさと馬鹿馬鹿しさに逃れる事はしたくない
たとえ暗い部屋の隅で 死んだふりをして見せるとも
自分は一体何者なのかと訊ねてみる
忙しげに行き過ぎる 十二月の風を 睨みつけて

この国では電車の温度を上げろとか下げろとか
シルバーシートは 若者たちの 恥じらいの無さを
週刊誌の車内広告も お国の偉い方々も
合い言葉は 恥じらいを 捨てて 生きよう
海の向こうでは お腹をすかせて 倒れてゆく
裸の子供たちの悲しい眼差し

生まれて うわさして ただ それだけで
生きているって 呼べるだろうか

海の向こうの出来事も ただのうわさ話として
駅のホームに 散らばっている 十二月の風に吹かれて

私は今 ぼんやり空をながめては
生きることの不確かさと 悲しみを 思う

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