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東風
作詞 こさかなおみ 
作曲 陶山隼
ナオジ(石田彰)
三日月がまるで剣の先のように白く輝いています。
かすかに聞こえる水の流れ
夜露を含んだ草木たちのざわめき
眼を閉じて見えるはずのない命の営みを
この身で感じています。

夜は深く静かに肌を刺して心の在り方を
私に問いかけます。
その答えの術をまだ導き出せない己と
全てを受け入れている魂がこの身の奥で
諍(いさか)いながら熱く冷たく燃えているかのようです。

一陣の風が舞い上がり ふと祖国の花の香りがしました。
こぼれ落ち舞い飛ぶ紅色の花びら
美しい散り際に誰もが心を奪われる凛とした花。
この風は遙か東から吹き抜けて来たのでしょうか?
遠い旅路の途中で、私の元に祖国の香りを届けるために
己に負けない強い心を呼び起こすために。
遙か遙か遠くから吹いて来たのでしょうか‥。
私の胸の中に紅い点が鮮やかに滲んで行きます。

星々の瞬きが刃のように刺しています。
全てを包む静寂の中で時間さえ経つことを忘れたかのようです。
かすかに響く鼓動に呼吸を合わせて無我の空気を
噛みしめています。

行方さえ決めずにゆっくりと流れる雲が真の
生き様を私に示しているかのようです。
何処へ行こうとしているのか迷う思いと
有るがままに進もうとする毅然とした気持ちが
せめぎ合いながら痛く優しく波打っているようです。

一陣の風が舞い上がり
どこか懐かしい花の香りがしました。
はらはらと優美に艶やかな花びら
季節を終えた後、誰に愛でられる事がなくとも
有るがままの強さ
頬を打ち付ける風は何処へ行くのでしょうか
終わり無き旅を続けて、私の背中を押して
前を向かせるために
己の試練を越える精神を目覚めさせるために。
海を渡り祖国から吹いて来たのでしょうか‥。
私の肩に薄紅の花びらが一つ 燃えて広がって行きます。
紅く紅く滲んで‥。

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