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にく球と、にく声。(Special Short Story)
作詞 只野菜摘 
作曲 松本則子
加藤英美里
ニャー。
三日月の首輪に、野良猫の魂。
夜中の一人歩きはあぶないよ。
さらわれちゃうかもしれないよ。
路地にならんだ、鉢植えの花とサボテンたち。
運転手さんの心も折れそうなくらい
くねくねと折れ曲がった道のつきあたり
蛍光灯に照らされて、しんとしたところが遊び場さ。

「ニャー。
今日もあえなかった。
べつに約束していたわけじゃないけど
キモチはつながってると感じていたのは
自分だけだったのかな。
ね、どうおもってる?
ちっぽけなつぶやきとか独りごとでも
きいてほしい。
‥そうじゃないな。
言葉で伝わらなくたって
眼をみつめるだけで結ばれる光を
信じているんだ。」

ニャー。
中途半端にかまうならよして、っていったのに。
気持ちをゆるしたとたん、ビシッ
かわった人。
小さな隙間から、スルリっとね。
だけど、かわった人って、忘れられなくなるんだ。

「ニャー。
待つっていうのは、つらいことだね。
つらくて、きらいになっちゃいそうだね。
だめだめ、わがままは。
誰にも媚びず、甘えないで、きっと
自分のチカラで頑張っているんだよ。
離れていても、応援してる、
そしてまた会う時には、そっと
やわらかな手のひらに触りたい。」

路地裏で風に吹かれて、どん底だった日も
軒下の隅っこで雨宿りをしていた日も
孤独じゃないと知っているなら
どんなにか強く、ひとりで歩いていけるだろう
すこし複雑な、ココロの道と道が出逢う
地図の空白に咲いていた時間は
蛍光灯に照らされて、銀色のおとぎ話みたいだった。

「もうすぐ、時計の針がてっぺんになったら
自分も、ここから進んでいくことに決めた。
ありがとう
ごちそうの蟹かまをあげる。
つむじ風みたいに走り去っても、
あったかなファーがあるから、寒くない。
寒くないね。」

ニャー。
夜中の一人歩きはあぶないよ。
つまずいちゃうかもしれないよ。
きみなら、きっと大丈夫。
立ちあがって、土をはらって。
三日月の首輪に、野良猫の魂。

バイバイ。

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